リナリアと葉書

青色姫草です。小説家になろう様で小説を投稿したりしています。ブログの主な用途は日記です

Finまでの『ロストスフィア』ダラダラ感想

青色姫草です。

PS4版『LOST SPHEAR』をFinまでクリアしたので感想レポです。

 

 

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上のトレーラーを発売前に見たとき、「なんて面白そうなコンセプトなんだ!」と期待に胸を沸かせました。

世界からナニかが消える。喪失。消失。悲嘆にくれる世界。

その設定だけで大好物です。隕石が落ちて来て皆死んじゃうエロゲが大好きなどうも私です。

 

絶望しかない世界にどんな悲しみ方をするのか、どんな絶望が待ち受けていて、希望はどんな対処をしていくのか。

 

 

そんな楽しみにしていたゲームですが、まあ、去年は色々あって結局買うこともなくそのまま忘れていました。忙しかった記憶はブログの過去記事でも漁ってください。とかく忙しいながらも精神安定剤を求めていた四月の中盤辺り、久しぶりにゲームでも買おうかと地元のGEOに行ったさいに、このゲームを見つけました。

 

中古で500円になっていたロストスフィアを。

 

おいおい、あんなに面白そうあコンセプトで、古き良きRPGを思わせるとまで書いてあるのに、中古で500円?!

 

わたしはこういうところが高飛車なので、みんなの評価を信じないで、「でもわたしにとっては面白いかも!」と逆に手を出す傾向があります。

 

というわけで新品を買いました。(それでも1000円。ツタヤだとこの3倍くらいするのに。GEOはこのゲーム嫌いなのかな?)

 

これが四月中盤からの地獄の始まりでした……みたいに書くと、ロストスフィアってクソゲーなのかよと思われるかもしれません。出来が酷いと思う部分もありますが、個人的には楽しんでプレイしていました。

 

 

そんなわけで、ネタバレありの『ロストスフィア』感想です。

ネタバレありなので、お嫌いな方はプレイしてから読んでください。

 

 

良かったところと好きになれなかったところ

  1. 映像美
  2. シナリオの出来
  3. ゲームバランス

 

 

 1.映像美

 

ロストスフィアをプレイした人なら十中八九、これに言及します。

だって素晴らしいんだもの!

作中に大きく関わる月の魅せ方。カナタを授かった丘から見える月、うつろいの世界で群青の夜空に大きく浮かぶ月。月が見える箇所はマップ上にいくつもありますが、そんな箇所を探すだけでもなかなかに楽しめます。

それに。

プレイヤーはカメラを動かせないけれど、そのことをもどかしく感じることが一度もありませんでした。

2Dではなく3Dのゲームにも関わらずです。「この看板の後ろのアイテム視にくいなあ」や、「このゲーム地図ないからマップ構造がわかりにくいんだよなあ。カメラが回転できたらなあ」と思うこともなかったことは、フィールドマップの制作者方の手腕であることは疑いようもありません。

デザイナーの才覚が如実に表れていると言ってもいいです。

 

個人的に好きなのがフィールドマップの色合いでした。地方によって地面が土だったり砂漠だったりコンクリだったり、赤土や砂浜もあるのですが、どれも嫌にならない色合いなんです。「百時間見ていても目が疲れない色合い」と勝手に称賛をしちゃいましょう。

主人公のカナタたちの故郷は片田舎で、その世界観らしい地形に囲まれた土地のつくりをしています。町があり、丘があり、生活に根付いた祠。田畑のある日本風ではなく、あの世界らしさがそこから感じることが出来ました。

(ブログ用にスクリーンショットを撮影しておけばよかったですね。PS4のSSはホロウリアリゼーションでユイが寝てるカットしかなかった)

 

4Kのうるとらはいぱー美麗なゲームではないです。ニーアなんちゃらでエレベーター降りたらそれまでの色彩感覚のギャップを突き抜けた真っ白な街並みが広がっているような驚きと微細なCGで作られているわけではないです。

それでも、『ロストスフィア』のプレイ中に出会ったあの月を見たときに感じた気持ちはやっぱり”美しい”。

 

 

2.シナリオの出来

 

はい、本題です。

ここがこの記事の始点で終着点です。

 

ゲームといえば――「ゲーム性」?「ストーリー」?「体験性」?

それぞれの答えがあると思いますし、製作サイドもどこに力を入れるかは最初から決めていたのかもしれません。ちなみに私は「ストーリー」派を気取ることが多いです。物語を楽しむためのサブカルチャー、という意識で日々生きている次第です。

 

そもそもロストスフィアを買いたいと思った理由も、ゲーム性じゃなくてPVから漂うコンセプト――物語に惹かれたわけですから。

 

こんな前置きをしているくらいなので、きっともう想像がついているでしょう。

 

シナリオがおもしろくない!!!!!!!!!!!!!!

(ただ、ゲーム自体は楽しめました)

 

 

私「 ロストスフィア買ったぞー! 絶望に暮れる世界かあ、どんなだろうなあ」

~30分後~

私「世界から人や文明が失われる”ロスト”の存在すら知らなかった主人公がなんかよくわからないままに絶望的な状況を終わらせたぞー! ……マジか」

 

みたいな感じでした。初めて30分で怪しくなった雲行き。

不自然な仲間入りを果たしたパッケ裏にもいる黒コートの男。

まだ序盤だから……なんて甘いジャッジが何の足しにもならないことをロックが落ちた後ぐらいから気づき始めます。

 

ちなみに、ロック落ちるまでの帝国軍の上から目線の書き方は上手だったと思います。「なんだこいつら。絶対こいつらが悪者になるんだろ」とか思惑に嵌まりながら進めていました。

 

そこから段々と、

・ただくっついていただけの不審者がいつの間にか大事な仲間入りしてる(サスケの百万倍ちょろそう)

・主人公のラベルが貼られたみたいな善性だけの言葉と行動

・かと思いきや唐突に軍に対してだけ強気に出る

・主人公だけが世界を真に救おうとしている

 

 という風に見えてきます。別サイドもたまに見えるので、実際には四番目は違うのですが、主人公側からはそう見えます。

 

でもまあ、そんなことはどうでもいいんです!

この先どんな展開があろうと、振り返ればどうだっていいことでした。

『ロストスフィア』のシナリオで一番の問題点は、「ストーリーライン」ではなく「台詞」と「細かな展開」だとわたしは考えています。

 

 

作中ではまあまあいいシーンに、湖のシーンがあります。発売から大分経っていますしそもそもシナリオ気にしてない人も多いでしょうから既プレイ勢にも説明すると、湖に映ったギアの姿が主人公たちのよく知っている人物だった、というやつです。

 

映像美でも話した通り、あそこは画面上は綺麗です。綺麗なのですが、台詞がどうにものらない。

「まあそうだろうな」と物語が透けて見えてしまうのはよくあることですし、そこのお約束感を出したかったのも理解できます。

けど、だとしても、その意外性に手を抜かないでほしかった。

 

ギアと戦闘して「まあそうだろうな」と思う。ルミナも違和感を感じた。その少ないヒントから答えを最適な場所で見つけるという流れ。それがとてもうすら寒いものにしか思えませんでした。

そのあと、ギアの自爆装置が起動した展開もひっくるめて「感動の押し付け」にしか見えませんでした。

 

「別に感動したいわけじゃないから!」

と言っているわけではなく、感動させられるならさせてくれ!とウェルカムな気分ではいるのです。ですがそれ以前にどのキャラにも感情移入しようと思えないことが、シナリオの面白くなさの原因だと考えました。

 

 

主人公の善性過多な性格や、絆の大切さを説いたり綺麗ごとを並べる。JPRGなんてそんなもんだろ。と、言われたら反論できないですし、JRPGを踏襲するという触れ込みのこのゲームには相応しい展開なのかもしれません。

 

だとしても、やはり気持ちがのれない。仲間が犠牲になったりの命の危機に瀕したときにプレイヤーが無関心でいられるシナリオは面白くなかったです。

 

 

という、面白くないという駄々でした。じゃあ具体的にどうすればよかったんだよとか言われたら、とりあえず感動させたいだけのシナリオと音楽付けをギャグか冒険への探求心とかに振って欲しかったという感じです。

ロックがおちゃらけキャラ担当だっただけに、序盤からいなくなって中盤以降もギャグキャラではなくなったのは痛いなという感じです。ギャグ要員を足して雰囲気を壊すのも本望じゃないので、少し考えるだけでも難しそうだとは思いますけどね。

どうしたら感動シーンを受け入れられたかについては、一考してみるのも楽しそうです。単純に台詞から世界観に浸るだけの素養がなかったとバッサリ斬れるかもしれません。

 

Finのあともシナリオ続くっぽいのですが、それを知ろうと思う気が(ちょっとしか)沸かないので、たぶん続きはやらないと思います。

 

 

3.ゲームバランス

 

映像美が好評。シナリオが不評だとするなら、ゲームバランスはまさに賛否両論なのかなと思っています。

 

わたしはめちゃんこ楽しめました。というかこれでバトルシステムまでつまらなかったら確実にクリア前に投げてました。

 

他のかたの批評を知らないのでおそらくとなってしまいますが、ネックになっているのは同じ部分だと思います。

 

――即死

 

『ロストスフィア』には状態異常がいくつもあります。メジャーな睡眠や混乱、少しマイナだとチャーム。オリジナル要素にコッコーというニワトリになる状態異常があります。

数ある状態異常に対して、主人公含めたモンスターたちはほとんど耐性を持っていません。

 

同様に、即死はほぼ確定です。

この”ほぼ”というのは九割とかそんなレベルじゃなくて、命中率の関係で通常攻撃をはずすのと同じくらいの低確率だと考えてください。

 

なので、全体攻撃に即死アビリティを付随するだけで、モブ戦闘が二秒で終わる作業に変わります。それは楽な面でもあるのですが、ヌルゲー化してしまうので、あまり好まない人もいるのだと思います。

そういう人のために、同じスキルをいくつも所有できるとあらかじめ対応策があったりもします。

 

ただ、もしこの状態異常に憤る人がいるなら、それは敵が状態異常を活用し過ぎることだと思います。

 

わたしの一例ですが、とあるボス戦で「即死ビーム」という技を3連続で受けました。

名前の通り、即死させられるビームです。3連続なので確定で3人が落ちます。1パーティーが4人なので3人落ちたら絶体絶命です。そのときは普通に負けました。

他にも、全体に対して睡眠をかけるボスもいます。主人公とボスのレベル差?によってはこっちが1回攻撃を仕掛ける間に、2回攻撃を仕掛けてくるなんてこともザラです。

なので、ダメージで主人公サイドが体力半分→睡眠技→体力回復できないまま敵の攻撃

みたいなことが日常茶飯事です。雑魚的でもこのループに嵌まって死ぬことがあるくらいには日常茶飯事でした。

 

……まあ、嫌いな人はとことん嫌うだろって感じのゲームバランスであることは否めません。『ロストスフィア』は運に頼らないといけない部分がないとは言いきれません。

 

勿論、即死耐性つきの防具を装着すれば即死は防げます(ほかの耐性が0だけど)

 

そういうところで、賛否両論なのかなと思います。

 

わたしとしては、モブ戦は脳死でゲームが出来ますし、ボス戦では少し頭を使うことになって、バトルシステムは楽しめました。

状態異常でパーティーの全員が睡眠とかにならなければまだどうにかなりますからね。

ボス固有の技とかもあって、海から現れた竜に呑み込まれたときとか割と興奮して「マジか!」と叫んでいました。そういうところ楽しい。

 

ただ絶対まともなデバッグしてないだととは思うけどな!

 

 

状態異常(特に即死?)にも例外がありまして、敵が生命でない場合(もしくは”ほとんど”のボス)には即死が通用しません。だから、即死さえ極めればクリアできるというわけではないのが、RPGらしい面白さでした。

あとやっぱ、昇華システムと武器・防具強化のシステムが面白かった。蘇生薬が半額になってればもっと色々楽しめたのに、とは思うけど。ゲームバランスの不満点とかは特になかったです。寧ろこれだけなら周りに勧めたい。

 

 

 

 

 

とまあ、そんな感じで『ロストスフィア』の感想でした。感想というか只の愚痴でした。

「シナリオなんて気にしねえ! 俺はゲームシステムだけを餌にしたゲーマーだ!」みたいな人は買ったらいいと思います。たぶん普通に楽しめる。逆にシナリオ厨には絶対に進めない。絶縁されるレベル。

 

 

始めてからずっと、これが終わったらブログに書こうと決めていたので、やっとクリアで肩の荷が降りた気分です。

 

 

PSStoreでニコイチ半額キャンペーンなるものがやっており、俺ガイルのおまとめセットがあるので買おうかなとか考えてます。でもパッケ版も欲しい。というかPSP限定版のOVAが欲しい。寧ろそれだけで単品発売はよっ。

 

俺ガイルおまとめと何を買うかで迷っています。

グラビティデイズ2 ・ NEW GAME! ・ アキバズトリップ

辺りでどれにしようかな。キャラーゲー好きだし極めていこうかな。

 

 

そんなこんなで『LOST SPHEAR』のダラダラ感想でした。

じゃあ私はドラクエ11っていう神ゲー買ってくるから……。

 

 

青色姫草でした。

 

 

 

PS.(投稿後10分の追記)

 

シナリオ関連で何か忘れてると思ったやつを思い出した。

 

・それまでの世界に夜がなかった(プレイヤーへの初だし情報)

・世界によるを取り戻す(所要時間五分)

・世界が真っ暗になった(キャラクターが驚く)

 

……で、終わり。いきなり誰も知らない”夜”という事態が起きたのにも関わらず、人々が誰一人として話題にも出さない。

不自然さ以前に世界観という言葉が死んだ瞬間でした。

 

以上! じゃあ、ヤマダ電気いってくるから……。