感想『バレットコード:ファイアウォール』1巻。情報の出し方が巧みだった!
あらすじで面白そうだった
『バレットコード:ファイアウォール』の1巻感想です
※ネタバレあり
~あらすじ~
これは、VRではなく本物の戦争である。死んだらそこで――人生は終わる。
『プロジェクト・ファイアウォール』。それは戦争の悲劇を防ぐため、青少年に課されることになった『VRによる戦争体験学習』。単なる「ごっこ遊び」の域を出なかったはずのその訓練は、ある日唐突に混沌のプログラムと化した。
人ですらない「謎の敵」の襲撃、そして迫り来る「現実での死」の危機……。巻き込まれた少年・古橋優馬は、世界4位の成績を持つ兵士で、『フロストバイター』の異名を持つ少女・雨宮千歳に助けられるが……?
感想
序盤
出だしが最高。最初の数ページがピークまである
中盤
千歳のこと好きすぎじゃない?キミもっと自分の命大切にしたほうがいいよ……(ヒロイン並の感想)
終盤
話のわからないところ全部説明してくれるじゃん! たすかる~
結論
情報の出し方が巧みだった
主人公の強さと特異性
序盤は一介の戦場の一兵卒のような微塵の弱さを描写されます。
中盤は『ヘヴィーオブジェクト』のクェンサーの如く頭脳の良さで人死にを出していた巨大な怪物を制圧します。
そして終盤では主人公の知らなかった裏設定が開示されて、他の兵隊とは一線を隠す潜在能力を発動させます。
個人的な話となりますが、序盤の一兵卒ぶりが好きだったので、中盤以降の展開はやや好みから外れてしまいました。
終盤で開示される「実は両親が世界を守っていた」からの「親から受け継いだ」までは少年漫画的な構図なのでまあいいかとはなるのですが、トリプルシックスの最強能力が存在して引き継がれていた可能性があるなら、一億人の命をドブに捨てる前に主人公の能力発言を探るほうがよかったんじゃないすかね……?
けど、設定開示が後半まで焦らされることで世界観や死に対しての一体どうなるんだ感には終始ドキドキできた点はよかった。この本を読む楽しさがそこに詰まってた。
(個人的な好み)
主人公がブラックトータスに変身したときに「どうして変身できたんだ?!」って驚きよりも「ああ…そういう感じで乗り越えちゃうのか…」みたいなガッカリ感が強かった。
舞台設定
最終盤で「これが9000万人の力だ!」って言う展開が割と冷えてた。
これが全員災害とかならともかく、情報を伝えていなかったことによる無駄死にとしては被害が大きすぎるし、たぶん「愛の力(千歳への愛と親からの愛のダブルミーニング)」でキセキテキな展開を起こしたほうがまだ綺麗な終わり方だったんじゃないかと思う。死んだほう「いや知らんが」みたいな気持ちだよたぶん
総評
主人公の設定周りが個人的な好みから外れてはいたものの、ここはVRなの?それとも現実なの?死んだらどうなるんだ? という先が見えないなかでどうにか生きようとする話は読んでいて面白かった。
いい設定と見せ方だったし、これ以降の物語への伏線の貼り方も好きだった(世界一位は既にクリア済み=別サーバでの共闘がありそう)。
全体的に情報の出し方が巧みだった!