リナリアと葉書

青色姫草です。小説家になろう様で小説を投稿したりしています。ブログの主な用途は日記です

感想『バレットコード:ファイアウォール』1巻。情報の出し方が巧みだった!

 

あらすじで面白そうだった

『バレットコード:ファイアウォール』の1巻感想です

 

※ネタバレあり

 

dengekibunko.jp

 

 

~あらすじ~

これは、VRではなく本物の戦争である。死んだらそこで――人生は終わる。

『プロジェクト・ファイアウォール』。それは戦争の悲劇を防ぐため、青少年に課されることになった『VRによる戦争体験学習』。単なる「ごっこ遊び」の域を出なかったはずのその訓練は、ある日唐突に混沌のプログラムと化した。
 人ですらない「謎の敵」の襲撃、そして迫り来る「現実での死」の危機……。巻き込まれた少年・古橋優馬は、世界4位の成績を持つ兵士で、『フロストバイター』の異名を持つ少女・雨宮千歳に助けられるが……?

 

 

感想

序盤 

 出だしが最高。最初の数ページがピークまである

中盤 

 千歳のこと好きすぎじゃない?キミもっと自分の命大切にしたほうがいいよ……(ヒロイン並の感想)

終盤

 話のわからないところ全部説明してくれるじゃん! たすかる~

 

結論

 情報の出し方が巧みだった

 

主人公の強さと特異性

序盤は一介の戦場の一兵卒のような微塵の弱さを描写されます。

中盤は『ヘヴィーオブジェクト』のクェンサーの如く頭脳の良さで人死にを出していた巨大な怪物を制圧します。

そして終盤では主人公の知らなかった裏設定が開示されて、他の兵隊とは一線を隠す潜在能力を発動させます。

 

個人的な話となりますが、序盤の一兵卒ぶりが好きだったので、中盤以降の展開はやや好みから外れてしまいました。

 

終盤で開示される「実は両親が世界を守っていた」からの「親から受け継いだ」までは少年漫画的な構図なのでまあいいかとはなるのですが、トリプルシックスの最強能力が存在して引き継がれていた可能性があるなら、一億人の命をドブに捨てる前に主人公の能力発言を探るほうがよかったんじゃないすかね……?

けど、設定開示が後半まで焦らされることで世界観や死に対しての一体どうなるんだ感には終始ドキドキできた点はよかった。この本を読む楽しさがそこに詰まってた。

 

(個人的な好み)

主人公がブラックトータスに変身したときに「どうして変身できたんだ?!」って驚きよりも「ああ…そういう感じで乗り越えちゃうのか…」みたいなガッカリ感が強かった。

 

舞台設定

最終盤で「これが9000万人の力だ!」って言う展開が割と冷えてた。

これが全員災害とかならともかく、情報を伝えていなかったことによる無駄死にとしては被害が大きすぎるし、たぶん「愛の力(千歳への愛と親からの愛のダブルミーニング)」でキセキテキな展開を起こしたほうがまだ綺麗な終わり方だったんじゃないかと思う。死んだほう「いや知らんが」みたいな気持ちだよたぶん

 

総評

主人公の設定周りが個人的な好みから外れてはいたものの、ここはVRなの?それとも現実なの?死んだらどうなるんだ? という先が見えないなかでどうにか生きようとする話は読んでいて面白かった。

いい設定と見せ方だったし、これ以降の物語への伏線の貼り方も好きだった(世界一位は既にクリア済み=別サーバでの共闘がありそう)。

全体的に情報の出し方が巧みだった!

Finまでの『Stray』ダラダラ感想

 

『Stray』(PS4)をプレイしました。

 

ネコ~~~~~!!!! となったので感想です。

 

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思っていたより短い

 

ネコxサイバーパンク で名前が大売れしたシンデレラインディーゲーム『Stray』

 

気になっていたのでプレイすると、案外にプレイ時間が短かった。

徹夜でプレイして6時間ほどでした。

 

お値段に対して……とかは思わず、むしろ手頃で楽でした。

このくらいでいいんだよこのくらいで。

 

1ステージもダラダラとせず、ステージ毎に外観も変わるため飽きなかったです。

 

 

MAPの作り込みがすごい

 

MAPの作り込みがめっちゃ頑張ってた。たぶん3Dモデラーが時間を持て余してたからあれもこれもと作っては配置したんだと思う。

見えない部分をカメラ動かしたりして確認すると、しっかりオブジェクトが配置されてて一度目の「ひえ~」が出て、エンディングのスタッフロールの長さで二度目の「ひえ~」が出た。

 

特にバケツとか缶や本なんかの小物がどこに行っても当たり判定を持ってたのがよかった。遊び心ある。

 

 

文字がないUI

「ネコの視界にミニマップとか次の目標地点とかあるわけないよね!」

が理念なのか、画面上のUIは常にない状態です。

それぞれの不便は以下の方法で回避していました。

 

ミニマップがない → 後ろ戻りしない導線

次の目標地点 → 光によるプレイヤーの誘導

次の目標 → 左矢印下キーでサポートロボットに尋ねる

 

サブミッションがないことも上手にメリットにしている印象でした。

 

 

ストーリーが理解しやすい

 

大自然で暮らすネコたち→足を滑らしてアンダーグラウンドへ→街の住人に話しかけると「上へ行きたい人たち」を発見→「上へ行きたい人たち」と協力して上へ!

 

○1つ目の化物に襲われる!→ストーリーを進めるとサポートロボットがピピーピピーと過去の文献を読んでくれる→1つ目の化物の正体がわかる!

 

○サポートロボット「私の記憶はどこへ?」→ストーリー進める→「実はわたしは…」

 

これら全部が競合しない地点で情報が出るため、プレイしていて頭がこんがらがったり、難読化しない。スッキリしていてよかった。

 

 

結論

 

面白かった

ネコの仕草がかわいいから100点のゲーム!

 

『アイの歌声を聴かせて』感想

青色姫草です。

 

吉浦監督作品の『アイの歌声を聴かせて』を年始一番に観ました。

 

雑多な感想を書き連ねる日記です。

 

観た人向けです(※ネタバレあります※)

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満足したか?

吉浦監督が好きなので数年前に吉浦監督がこの作品やりますってtwitterでつぶやいたときに「あれ?JCスタッフでやるの?スタジオ六花じゃないんだ?」みたいなことを思ったぐらいの愛です。ゲーム会社の仕事がほんとうにホント~~~に忙しすぎて劇場に足を運べずじまいだったのですが、いろいろあって去年末(2022/12)で退職したので、年を越して一番に観ました。(アマプラくん550円って値上げした?)

 

結論は「吉浦監督作品としてはもっとリアリティを求めてたけれど映画としては大満足!」です。

 

ほしかった部分

・世界観

吉浦監督に私が個人的(とっても大事)に求めていた部分はもちろんSF系でした。

そのSF系を表現する方法として、『イヴの時間』における「ドリ系」や『サカサマのパテマ』の男主人公が感じていた疎外感のような、外界の一般性を提示した上で主要キャラクターがそうではないドロップアウト感を描写するのが好きでした。

今回で言えば現実のレイヤーにすっごいよく馴染んでいる近未来家電などの表現がそれにあたります。その表現が少ないことに対してちょっとばかしの不満はありますが、それでも映画自体が面白かったことは間違いないです!

 

ただ、そういうSF要素を意図して背景のレイヤーに沈めた結果、例外過ぎる詩音の特異性を伝えきれなかったのではと感じました。

AIとして自己進化していたり、他の電子機器を権限を則って操作できるSF要素をSF要素として驚いていたのがトウマで、他主要キャラ(視聴者視点のサトミも含める)は怪奇現象のような驚き方をしていたこともあり、あまり強く印象には残りませんでした。

 

全くコンセプトが異なると言われたらそれまでですし、そもそも別の映画だからそれを期待するほうが間違っているのでこんなものはほんと言った直後に殴られろみたいな発言であることは重々承知しているんですけど、『アイの歌声を聴かせて』には『イブの時間』ほど近未来へのワクワク感を感じられなかったことが物足りない点です。

 

良かった点

・流れがわかりやすい。

AIの詩音がサトミ(漢字を確認したら"悟美"でした。どういう名付けだろう?)を振り回したと思ったら他の人も振り回す。

愛着持たれた詩音がヒロインになって連れ去られて、王子役にまわった皆が助けに行く王道展開。

後半の星見タワーになだれ込むところも勢いで誤魔化してたのうまい。

 

・伏線がわかりやすい

たまごっちとかゴミ箱とか禁煙とか、目につく所作やエピソードが後から振り返りやすい短さに詰まっている。

伏線が必要になったときに「あの!」とか「あれが使えるんじゃ!」みたいなのちゃんと観ている人が想起できるの腕が良すぎる。

関係ないけれどたまごっちの話、トウマが天才児じゃ済まないレベルだけれどまあそこらへんはみたいな(サマーウォーズでいうと侘助おじさんより頭がいい)。

伏線系は大河内さんぽさある(大河内さんぽさで言うなら副社長をわかりやすい悪者にしたところが一番そうだけど)。

 

・未来感の出し方

近未来ってレイヤーを現実に馴染ませるのめちゃくちゃ上手くないですか???

映画の最初で古いキッチンに細心家電より数世代先の家電を乗っけることで、その歪さが際立って世界観を表現するってやり方。天才

学校で近未来感を出していたアイテムは黒板と三太夫(ロボット)ぐらい?で、視覚情報はほぼ現実の風景だったから、観ている人が「知らないもの」を観て感じるストレスとかはなかったのかなと思った(ここらへんSFチックさを欲している人からすると物足りなさはあるだろうけれど)

 

・映像美

ソーラーパネル反射して月になるのいい。未来的な部分は背景の風力発電?ぽいやつに任せてるのもあって、極力SF要素消えてるのは気になるけれどそれはそうとシチュエーションが綺麗だった。

 

気になった点

・ジャンル

オタク向けじゃない要素を追加した結果、恋愛が付随したんじゃないかと邪推した上での雑言です。

SF要素を一切切り離した状態でラブコメ部分だけを観たときに全くロマンス風に感じなかった。言ってることは恋愛ドラマの台詞だけれど、恋愛部分の障害が本人たちの気持ち次第オンリーだからだいぶ……うす……

 

・テレビ尺?

3,4日しか会話していない詩音のために企業に乗り込むのは冷静に考えると無茶じゃない?それぞれ救われた描写あったとはいえ。

短編8話で6話分くらい日常描写に費やす脚本な気がする。ターゲット層を一般層(の子供?一般層のどこに差したかったのかよくわからんかった)に切り替えた結果、有名タレント使うなら映画のほうがいい?になったのか、単純に映画のほうがいいになったかはわからないけれど。

うまくまとまってるし企業に乗り込むのも勢いで突っ切ったけど(あそこメチャクチャ上手。詩音が主人公のサトミにとって大事な存在にしてから場面転換で忍び込むフェーズに移ってる。先に作戦会議してたら観ている人の気持ちがついていかないんだと思う)

 

・花火

あの花火is何。

あのシーン中は後ろの風車の電灯?を破裂させて花火っぽく演出しているのかと思ったけれど普通に花火も上がってた。勢いで誤魔化しすぎじゃない???

 

・主任さんの扱い

微妙だった。取り扱いが微妙だった。副社長が裏から主任さんに何かを命じているのかな?と思ったけどそうでもないっていう。匂わせしかしてないがあの副社長。というか大企業の副社長が小物過ぎる。

 

・詩音の監視

詩音を違法ギリギリのやり方でテストしてるくせに監視がザル過ぎる。人間を監視してるのと同じ方法で送り迎えするだけって。学校に忍ばせてるから録画したら子供のプライバシー侵害だから外国(現実。主にカリフォルニア州とか)の条例とか気にしてたのかな?

 

AIのプログラムだけがネットに流れて生きてるとかは突っ込むほうが野暮だと思っているので。基準が自分でもわかんない。

 

終わりに

以上、雑多な感想でした。

じっさい面白かったし観ていて情報量が多くてパンクすることもなかったので見やすい映画でした。たぶんもう1回ぐらい観ます。

 

追記あれば書きます。

 

 

『Filament』感想

 

『Filament』というパズルゲームがEpicで無料配布していたので少し触りました。

 

 

以前にゲーム画面を見て「絵がキレイなことが売りのパズル」だと思っていました。

やってみたら想像していた100倍作り込まれててゲキムズ難易度でした。

 

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ゲームの難易度が高かった理由

このゲームは紐がついた小型ロボットを操作して、MAP上の四角い支柱に触れるパズルです。目標の四角い支柱に全て触れてゴールに辿り着くとクリアです。

一度通った道には紐が敷かれているため、通る道筋を試行錯誤するゲームでした。

 

私がめ~~~っちゃ難しいと思った理由は、入り口から紐が繋がっている点です。

 

ロボットは入り口から紐でつながっているため、入り口からの通り道には全て紐が通ることになります。

そのため、パズルの解法を探す方法として「ゴールから入り口まで辿る」というやり方ができません。

 

私がパズルを解くときに一番使う方法が「ゴールから入り口まで辿る」なので、それができなくてメッチャ大変でした。

 

 

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旧タイトル:ガンエボがゴミの掃き溜めになる理由

 

ガンエボ面白いです。
OW2までのつなぎとしてフレンドとフルパを組んでますが、
わちゃわちゃゲーでお酒飲みながら楽しくできます(なお3D酔いで吐くやつがいる模様)

 

そんなガンエボですが、将来的にゴミ人間の掃き溜めになります。

 

理由はガンダムIPだからとかバンナムのエグい集金システムとかでもなく、
リザルト画面にプレイヤーのスコアが表示されないからです。

 


ガンエボのリザルト画面の簡易な説明は以下です。
 ・バトルが終了するとリザルト画面を必ず表示する
 ・敵味方から3人のプレイヤーをMVPとして表彰する
 ・タブを移動させると個人のバトルスコア(ダメージとキル関与数)を表示できる
 ・個人のバトルスコアにはスコアに応じて金・銀・銅のバッヂが付く

 


ガンエボのバトルは1試合平均10分ほどです。
試合によっては圧勝も完敗もあります。
連敗することもあります。
15分くらい頑張って負けたとなると、聖人君子か味方をbotと思っていない限り自ずと自分や味方の動きを確認するようになります。
「あ、ライン維持してくれてる!」とか「あの人揺動引っ掛かりすぎじゃない?」みたいなことを考え始めます。

 

ただ、初回プレイは古くからのフレンドと遊んだため、
できたばかりのサービスで定石がなくてもOW時代の知識で良し悪しを話し合ったり、
何戦もやって経験で継ぎ足しをしてみたり。
リザルト画面で自分のバトルスコアだけは表示されるため、
それを友人同士で比較してダメージ量が多いとか少ないとかから
キャラ特性を確認してみたり。

 

お酒が入っていなくても結構楽しめるゲームだと感じていました。

 


問題を感じたのは翌日、ソロプレイをしたときです。


ソロプレイでカジュアルマッチに入り、数戦やって連勝すると次に連敗しました。
連敗したときに思ったことは「味方なにやってんだ?」でした。

 

一期一会の野良マッチですからいろんな人がいます。


初心者もいます。
その中にはこういう形式(TF2やOWみたいなバトルシステム)のゲームをやったことがないプレイヤーもいます。
全部ガンダムだと思っているプレイヤーもごまんといるでしょう。

 

だから戦線が維持できない、敵を倒せない、格闘キャラやSG持ちキャラにSR持ちが突っ込む、MAPで迷うこともある。
そんな初心者と一緒にマッチングすると
「味方が敵を倒さない!」「ラインを下げすぎて勝てない!」
リザルト画面の自分だけのスコアを見て愚痴るわけです。

 


最悪の気分になります。

 

他のゲームでも似たりよったりの悪感情を抱くことはあります。
CSGOで0キルの飲んだくれロシア人とか。
LoLで15ffを余儀なくさせるほどのトロールとか。
Apexで一人で降下して勝手に死んで退出する味方とか。

 

そういうときには私の悪感情を向ける対象がいました。
リザルト画面に0kill、0damega、退出のバツマークがついたやつ。

 

ガンエボではそういう人が誰だったかわかりません。

 

怒る対象がいなく、
さりとて自分のスコアだけはわかってしまうから、
「私はできていたのに味方が悪い」
と自己評価だけが高く味方を貶める自分が出てしまいます。

 

本当は私が足を引っ張っているかもしれません。
味方プレイヤーは初心者ではなく別ゲーのプロかもしれません。
TF2やOWを1000時間プレイした熟練プレイヤーかもしれません。
初回プレイでザクの射撃形態と格闘形態の違いを一目で見分けられるガノタもいるでしょう。

 

けど、それら全ての功罪はスコアがないためにわからず、
ただ自己を顧みることもできないために自己評価のみが肥大していき味方を悪辣に言うゴミが出来上がります。

 


ゲーム自体は面白く、真剣にやらないのであればとても楽しめます。
ただ(私はまだ触っていませんが)ランクマッチという制度があり
勝敗に自分の気持以外のメリット・デメリットが生じるシステムがあるならば、
スコアを公開しないガンエボは
自分のキルやダメージ数だけで胸を貼る、俺中心的害悪プレイヤーだけが残ることになると思います。

 

 


※補足
この記事書いて「じゃあスコアボード追加しろよ!」と考えているわけではないため補足です。

ゲーム中にもスコアを公開しないメリットはおそらくファンメが届かないようにするためだと思います。
事実、ソロカジュアルの段階では(サービス初期ということもあり)荒れたチャットなどは見かけていないです。
結果的に「民度がよく見える」というのはガンダム系ゲームの中で大きな特徴になるかもしれません。

西尾維新にぐーぱんしたくなったときランキング更新『ヒトクイマジカル』

 

ヒトクイマジカル』感想記事 ※ネタバレあり※

 

 

 

西尾維新作品を読んでるとグーパンしたくなること、ありますよね?(過激な書き出し)

 

 

小学生の頃に『不気味で素朴な囲われた世界』を読んで病院坂迷路先輩であうあうし
中学生か高校生ぐらいになってから『クビシメロマンチスト』を読んで巫女子ちゃんであうあうし、
社会人になってから『悲鳴伝』を読んで剣藤さんにあうあうする。

 

いっっっっっっつも西尾維新の掌の上!

 

夏休みだったのと、戯言の新刊が出るとかだったので読んでなかった『ヒトクイマジカル』から先を読む気になりました。

 

 

感想ですか?

 

ヒトクイマジカル』を読んで姫ちゃんにあうあうする(死ぬまでループ)

 

 

 

ヒトクイマジカル感想

ミステリーの部分は登場人物を考えたらそれしかないって感じだった。人類最悪の遊び人に≪策士≫と匂宮姉妹が直接対峙したかを確認して、≪策士≫の情報が嘘である可能性を読者に示すところで気づけるかどうか。わたしは気づけませんでした。(前の巻から間が空きすぎててキャラを思い出せてない春日井春日が犯人でも納得してたと思う)

 

 

戦闘シーンが普通に面白いというか見応えあった。

人間シリーズの戦闘シーン(出夢との関係性あたりでどっかの施設に忍び込む巻)もわりと好きだったけれど、『ヒトクイマジカル』の戦闘シーンは見応えあった。

 

 

姫ちゃん

姫ちゃん。本当の本当に冗談抜きで最後の最後まで姫ちゃん生存ルートを考えていたよ私は!!!!!!!!!

 

 

表紙の裏

カバーが今のやつの話だけれど、裏表紙が出夢になってるのすこ。

 

 

まとめ

ヒトクイマジカル』の前後が上下巻とか上中下巻だから間の箸休めかな?みたいに思っていましたが、全くそんなことなく普通にいつも通り普遍的に性癖拗らせるやつです。

 

 

以上!

姫ちゃん関連で吐き出したくなったりしない限りは追記ないよ。姫ちゃん!

 

感想:仮想現実の成長が現実にフィードバック『竜とそばかすの姫』

 

ヽ(^o^)丿わああああい!!!夏休みだあああああ!!!

 

というわけで『竜とそばかすの姫』のネタバレあり感想記事となります。

 

 

『竜とそばかすの姫』

ryu-to-sobakasu-no-hime.jp

 

あらすじ

日本の片田舎に住んでいる容姿に自信がない普通の少女・鈴。
彼女は全人類50億人がアカウントを持つ仮想現実SNS『U』でHN・Bellとして活動を開始する。Bellの等身大の歌詞と歌声は大きなうねりとなって、Bellは『U』の中で大人気歌手となった。

一大イベントのBellのライブに、唐突的に狼のAs・竜が割り込んできた。竜と自分たちを正義の執行者であると豪語するジャスティスたちのバトルでライブは中断。

鈴(Bell)は竜に会いに行こうとする。

 

 

感想

仮想世界での成長が現実にフィードバックする形の成長の物語だった。

 

序盤

現実で歌うことのできない鈴が、仮想世界のBellになると歌を歌えるようになった。

 

中盤

仮想世界で歌を歌っていた鈴が、現実の河川敷で声を出して歌う。

ジャスティスにアンヴェイルされかけたときに必死に怯える

 ・自分の姿を衆目に晒すことへの恐怖

 ・暴力への恐怖(普通の生存本能)

 

終盤

ジャスティスにアンヴェイルを向けさせる

 ・自分の姿を衆目に晒すことへの恐怖の克服

児童虐待父の目の前に出て怯まない

 ・暴力への恐怖に打ち勝つ心の芯を持つ

 

 

 

仮想現実の世界でできるようになったことで現実世界を好転させる。

仮想空間が逃げ場のようになっていた時代(それこそ『サマーウォーズ』ぐらいの)から、仮想空間が現実と地続きになっている世界が現れている映画だった。

 

最後に母のように立ち向かった鈴のシーンはよく描かれていた。

 

 

 

……と思う。(以下は愚痴)

リアリティを追求すると「絶対にそうはならんやろ」みたい展開が多かったり、キャラクターが役割や書割通りにしか動いていないように感じてしまって、最後の最後の展開に感情移入する気力が残っていないとも思うけど。

もうばっさり観ている側の人間の共感とかは捨ててる気がした。

 

美女と野獣』をモチーフにしたのは、視聴者に対して子供が童話を読んだときみたいに都合のいい部分だけ耳障りよく覚えておけばいい、みたいな監督からのメッセージなんじゃないすかね(鼻ホジ)

 

 

脚本のリアリティの追求に関しては必要な部分と不必要な部分があるんだろうし、そこの取捨選択はそりゃもう制作サイドに信頼を置くしかないんだけれど、それにしたって説明が無さすぎて後半は「ふーん」としか思えなくなってた。

特に『U』の説明が全体的にふわっとし過ぎてて「俺の考えた最強の異世界」みたいな独自設定だけをこじつけてくるの見てて考える気なくしちゃうのが痛かった。

全部がメタファーだからそういう技術・機能面での細かいことを気にするんじゃねえよ! と言い切るには時代が仮想空間やメタバースに追いつきすぎてるから宇宙空間でバトルするSFみたいには切り離せない。かと言って技術的に説明しようとすると「アバターの仕組みは? 狼の周りにいたAIは? オレンジ色の光は何?」みたいな疑問が噴出する。

 

それと個人的には、最後のシーンでDV父が左腕を振りかぶってるのも謎かった。

(これに関しては納得いく理由もありそうなので、観た直後の感想としてお読みください)

・左腕に腕時計をしているから明らかに右利き。

・女性(女子高生)の顔を引っ搔いて家の外で怒鳴り散らすほど冷静さを失っている。

この状態で左腕を振りかぶった理由ある?

勿論、絵的に言えば右側から左側に向かうのが漫画表現を培ってきた日本人には伝わりやすく、手前に腕がある左腕のほうが迫力があって描きやすい。また、腕時計のような装飾物を付けることで、ジャスティスを想起させて正義の自分ルールとDV父の家庭内暴力の共通項を想起させる役割があるのだと考えられます。

 

けど、左腕かぁ。

 

と思ってしまい、なんだかちぐはぐな印象の場面のように感じられました。

これに理屈をつけるなら、普段から子供を殴るときに利き腕ではなく左腕を使っているなどが考えられます。

 

これで個人的には納得しているのですが、『竜とそばかすの姫』はこういう「作中の情報に無理やり自分の考えた設定を足して無理やり納得」みたいなことが多い映画でした。

 

わかりやすさはいいことだと思うんですよ。

少なくとも2時間わけわからないものを眺めて楽しめる人はマジョリティではないはずなので。

 

 

 

補足

鈴が仮想世界に飛び込んで歌で承認されるのは、ネット世界でアバターやキャラクター(タレントぽさみたいな意味合い)のような別のペルソナを持つ現代人と近い。

『U』にログインしてすぐにベル(鈴のアバター(Az(注釈が多い!)))が歌を歌って、それを他人が見ることができる状態だった。これは誰もがクリエイターや配信側(売り手側)に安易に回れる時代性が現れていると思った。

 

 

終盤にアバターを鈴の姿にして歌ったシーンで、母を思い出すのはそこ単品で切り取るとすごいよかった。
全体的に鈴と鈴の母だけで話が構成されていたら本当に余計な雑念を抱かず面白かったと絶賛できたと思う。

 

 

友人キャラの子が終盤に「鈴は人前でなんて歌えないよ!」っていうのが、一種の枷にも聞こえたし、子供のときに母親に行かないでってがみつく鈴自身にも例えられそうだった。台詞からだと微妙なニュアンスわからんくて「どっちだぁ…?」てなるた。

 

 

虐待された子供のその後についてはボカしてあるのよかったと思う。

理想論ですが、虐待自動がいたときにその未来が「DVしている家族の逮捕」になることが必ずしてもハッピーエンドではないじゃん? というか「虐待がなくなる」と「子供の傷が完璧に癒える」が最善手であって、家族の逮捕は虐待をなくす手段だと思っています。

なので、他の人の批評を観たときに「最後に警察出せよ」みたいなのを見るとちょっともにょっちゃったな!まあでも警察出てたら私もハッピーエンドぽく感じていただろうから人のことは言えない。

 

 

総括

面白かった。

脚本の粗探しをしたら山のように変な部分や指摘したいところがあって、ネットにはそれが溢れてそう。けど、たぶん探せば探すだけいいところも見つかる作品だと感じた。

他のキャラクターを人ではなく人形だとしたうえで「鈴の話」だと思えば話はすごい好きな部類だった。

 

欲を言えば説明をもっと欲しかった。

感情面とか人間関係とか人物描写より、機能やシステム面がおざなり過ぎて話についていけなかった面が多かった。
※鈴が竜に惹かれた理由については、本能的に「助けるべき子供だと見抜いた」という解釈で通しています。それでも「あなたは誰?」の台詞の意図はわからなかったけれど。

 

 

 

そんな感じです。

ブログにするにあたって結構メモから省いているから追記するかも。

特に、「あなたは誰?」の台詞の意図が本当に理由がわかってないから、思いついたら追記するかもです。

以上!